『在宅医療の道しるべ』を出版しました。
2024年06月17日
横林賢一院長(著)『在宅医療の道しるべ』金芳堂
https://www.amazon.co.jp/%E5%9C%A8%E5%AE%85%E5%8C%BB%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%82%BF%E3%83[…]AE%E9%81%93%E3%81%97%E3%82%8B%E3%81%B9&qid=1718584964&sr=8-1
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★序文★
この本を手に取ってくださり、心より感謝申し上げます。本書は在宅医療の世界に足を踏み入れたばかりの医師、ケアマネジャー、看護師、薬剤師など専門職の方々に向けて書いています。「在宅医のアタマの中」を通じて、在宅医療の現場で必要な知識、考え方、さらには実際の対応方法について理解を深めていただくことが、本書の主な目的です。
私は、日本在宅医学会(当時)のフォーマルなトレーニングを初めて受けて在宅医療専門医になった世代の一人です。これまでの経験と学びを皆様と共有することが、在宅医療を支えてきた先人への恩返しとなり、同時に在宅医療の発展と患者さんの笑顔につながると信じ、本書を執筆しました。
在宅医療に関する書籍は数多く存在しますが、その多くは詳細で読破に時間を要するため、必要時に参照するという利用法が一般的です。本書は在宅医療の概要を簡潔に理解していただくために、寝転んで気軽に読めるスタイルを心がけました。
本書の第1章では、患者さん宅での死亡診断の方法、予後予測、訪問診療時に重視すべきポイント、そして患者さんからの余命に関する質問への適切な対応方法など、実務に役立つ情報をお届けします。第2章では、在宅医療の現場でよく議論されるトピックスに着目し、点滴の必要性、最期の瞬間に立ち会うべきか、ACP(人生会議)のタイミングなどを、読者の皆さまと共に探求します。第3章では、疼痛コントロール、ポリファーマシーへの対応、意思決定支援など、在宅医療専門医に求められる能力に焦点を当て、当院の在宅フェローの学びの記録(ポートフォリオ)に、私の見解を交えて考察します。
本書に掲載されているイラストは、久保田希先生(通称:のんちゃん)が手がけています。彼女は、私が広島大学医学部で教鞭を執っていた頃の学生で、一緒に「Jaroカフェ」というコミュニティカフェを立ち上げた仲間でもあります。現在は家庭医・在宅医として活躍しており、私たちのクリニックでもその才能を発揮してくれました。彼女の描くイラストはユーモアと温かさに溢れ、読者を魅了する力があります。素敵なイラストが、本書の理解を助け、読む楽しみを一層増すことでしょう。
この本が、皆様の在宅医療に対する理解を深める一助となり、また心の中に温かい光を灯す一冊となれば幸いです。
2024年5月
横林賢一